剣道とキリスト教

礼に始まり礼に終わる

『礼に始まり礼に終わる』

毎週火曜日と金曜日は、小学生、中学生を中心に、多いときには、大人も含めて25名ほどが練習に参加しています。 
2年ほど前から、小学生が増えてきているように思います。 
 
保護者の皆様も熱心に練習中も見学されています。
 
 
● 練習前の「礼」


剣道では、他の武道(柔道、空手、求道など)と同様に、段位の上(六段)の人から順に一列に整列して「着座」の声とともに正座します。
その後、手のひらを組んで「黙想」の声でしばし黙想し「やめ」の声の後、「正面に向かって」の声で、先生方も向き直り、共に同じ「正面」に向いて「礼」の声で一礼をします。向き直った先生方に対し、「先生に対して」の声で八段、七段の先生方に「礼」、そして、八段、七段の先生方が互いに一礼される姿を見つめさせていただき、その後、もう一度、先生方と練習者一同が一礼します。

この後、各自、道場(体育館)のそれぞれの席に戻って、防具をつけるなどの準備をして練習が始まります。

まさに「礼に始まり」ですね!
 
もっとも、道場(体育館の練習場)に入るときにも、道場を出るときにも「一礼」してからの入退室は、剣道を始めたばかりの小学生、一般の方にも指導がされますが、案外、全くの初心者であっても、練習者の姿を見て「自ずと倣う」ようです。
そして、道場に入った後、何人かかの先生方と一礼(立礼)し、道場の隅でそれぞれ防具を着用し、各自それぞれ簡単な準備運動などをいたします。

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● 練習後の「礼」

練習後は、同様に一列に着座して「黙想」、「先生方への礼」、「正面に対しての礼」の順番での「礼」の時です。
先生方相互の礼を見させていただいた後、先生方と練習者一同、「ありがとうございました」との一礼をします。

その後、子どもたち、中学生、練習者、特に小学生は一斉にそれぞれの先生方の前に駆け寄って一列に正座し、一人一人、短く「ありがとうございました」の声とともに一礼をします。この時、先生がら一言二言の言葉と励まし、注意、教えをいただける時もあり、その時は嬉しいものです。
 
・ 「正面に向かって」の礼
 今でも、剣道や武道の各流派の道場では、正面に「神棚」があったり、掛け軸が架けてある場合などもありますね。

私自身は、時々、最後の「正面に向かっての礼」の時は、大学時代の剣道部の
佐々木季邦師範(範士・九段)や、何人かの「剣道の師」と仰いだ先生方(すでに故人の方々)のことを、心に一瞬思い浮かべて一礼する時もあります。

通常は、キリスト者として「我が主、父なる神」に感謝と礼拝の思いで「正面に向かっての礼」をしています。
ただし、その場合でも「無心の心」での「礼」となっている感じもいたします。

 
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● 練習の時の「礼」

 剣道の練習では、防具をつけてそれぞれの先生方の前に並んで、自分の練習の時を待ちます。
 順番がきたら、1〜2歩ほど前に出て先生に対して立礼し、その後3歩ほど前に進み「蹲踞(そんきょ)」した後立ち上がってから中段の間合いをとって練習開始となります。
練習後は、蹲踞し、竹刀を左脇に5歩ほど後ろに下がり、立礼します。

 また、練習の中で、一本打たれたときには、相手が残心から向き直ったその時に、あるいは互いにあらためて中段の構えに戻った時などに、打たれた側がほんのわずかに、あるいは、明確に頭を下げて「一礼」をします。
「参りました」、「一本いただきました」の思いの「一礼」とも言えますし、これは、相撲においても敗者が土俵を降りるときに一礼するのと同様です。

高校野球も同様ですが、勝者、敗者ともに一礼するのは、清い(きよい)、潔い(いさぎよい)、また、聖い(きよい:聖なる)世界であると言えましょう。
 

 このように見てきますと、剣道も他の武道も、また、日本の国技の「相撲」も、道場の入退室、先生方や互いの一礼、また、「練習のはじめ」、「練習の時」、「練習後」の全てで「礼に始まり礼に終わる」武道であることに気づかされます
 
「礼に始まり」「礼の中で」「礼に終わる」剣道の練習。
まさに、「礼」は、武道、武士道の精神そのものとも言えましょう。


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写真:2019年 8月21日 撮影
   練習後の「黙想」が終わって、先生方に一礼する直前。
   先生方への礼のあとに、先生方と共に正面に向かっての一礼があります。